B6026.gif (1018 バイト)教育実習支援システム 広島大学附属福山中・高等学校

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保健体育科

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1.保健体育科の教育実習にのぞむにあたって

jishu30.jpg (26032 バイト)言うまでもないが,教育実習では,教えられる側から教える側への立場が変わるわけで,大学での学生生活とは違った,いわば社会人としてのマナーがある。服装,言葉遣い,態度,時間,喫煙など様々なことに注意を払う必要がある。また,一方では教生の教育活動のすべてが指導教官の元にあるわけで,すべてが自分の判断で出来るものでもない。これは,授業で教壇に立つときだけでなく,校内の生活すべてにおいて,重要なことである。 また,教育実習は,大学教育の単位の一つであると同時に,教師として40人の生徒に対して50分間の授業を保障しなくてはならない。したがって,そういった意味では授業に責任を持って取り組まなければならない。つまり,指導案の準備段階から自分がこれまでに身につけたことのすべてを出せるよう全力で取り組まなければならない。授業のうまい下手よりも大切なことは生徒たちに自分の教えたいことを精一杯伝えようとする姿勢である。この姿勢が生徒に対しての責任を果たすことになる。
体育の授業では様々なスポーツを教材にして授業をおこなうわけで,教師を目指す以上自分が部活動でおこなっているスポーツだけでなく,幅広いスポーツ種目に対して関心を持ち,また,授業では生徒の前で積極的に示範をおこなってほしい。もし,出来ない種目があれば練習して出来るようになってほしい。この意欲が授業を成功させることになる。また,一方では自分の得意な種目だからといって,簡単に考えてはならない。得意なものほど出来ない生徒がどこにつまづいているかがなかなかわからないものである。教材研究をしっかりとして授業に望んでほしい。
保健の授業は,体育以上にこれまでの勉強不足がはっきりとでてくる。知識や経験が足らないところは,教材研究を十二分に行って授業に望まなければならない。単なる知識の伝達ではなく,健康生活の実践者を育てることが重要である。したがって,自分自身が日常生活の中でどれだけ健康や安全に関心を持って生活をしているかということが問われてくる。
保健も体育も自分のそれまでの経験だけで授業をするのではなく,それまでの経験に新しい何かを積み重ねた授業が行えるよう,生徒,教生,指導教官から学びながら教材研究に全力を傾けてほしい。

 

 

2.実習前の準備

 
泊まり込みで,おそらく大学生活で一番勉強する2週間となるので,体のコンディションは万全にしておくこと。

あらかじめ教材を連絡するので,教科書はもちろん参考となる書籍などの資料を準備して,予習をしておく。

オリエンテーションで指示された指導案の素案を書いてくる。このスタートが遅れると最後まで取り戻せない。

 

 


教 育 実 習 研 究 授 業 保 健 体 育 科 学 習 指 導 案

日時 : 200○年6月15日(月) 第4限(12:00〜12:50)

場所 : 球技コート
指導学年学級 : 第5学年BC組 男子 46名
単元 : ソフトテニス
題材 : ボレーの打ち方の確立とラリー
指導教官 : 三 宅 幸 信
指導者 : 高 山 雅 貴

T . 単 元 目 標

1.ソフトテニスの各技能を高める為に,段階的な練習を行い,最終的にはフォアハンドス トロークとバックハンドストロークを駆使した試合形式のラリーができるようにする。ま たルールを理解することなどにより,自主的に運営しながらソフトテニスを楽しむことが できるようにする。
2.ソフトテニスの学習活動を通してお互いに協力して,準備・片付け・ゲームの運営など ができるようにする。
3.準備・片付け・練習形態など,周囲の状況にお互いに気をつけ,安全に活動できるよう にするとともに,準備・整理運動の重要性を認識し,傷害を予防することのできる能力や 態度を養う。
時間 学 習 内 容
オリエンテーション・ボールつき・フォアハンドストロークのフォーム
ボールつき・フォアハンドストロークに慣れる
フォアハンドストロークでのボールのとらえ方(足の運び方)
フォアハンドストロークの正確性の向上
バックハンドストロークでのボールのとらえ方
バックハンドストロークの正確性の向上
サーブのトスの上げ方とフォームの形成
スマッシュの打ち方とその習熟
ボレーのラケットの出し方とその習熟 (本時)
10 ルールの説明及び課題練習
11 課題練習
12 ゲーム
13 ゲーム
14 技能テスト

U . 保 健 体 育 科 指 導 案

指導教官 三 宅 幸 信
指 導 者 広島大学教育学部教科教育学科体育教育学専修 高 山 雅 貴

1.日 時 200○年6月15日(月) 第4時限(12:00〜12:50)

2.学年学級 第5学年BC組 男子46名 場所 球技コ−ト

3.単 元 ソフトテニス

4.題 材   ボレーの打ち方の確立とラリー練習

5.本時のねらい

@ ボレーは前衛が習得すべき重要な技術である。本時の場合は、スピードやコースに応 じてラケットの真ん中でミートし,確実に相手コートの狙った所にボレーで返球でき るようにする。又,今までに練習してきたグランドストローク,サーブ,スマッシュ, ボレーの総合練習としてラリーをやってみることによって個々の技術の習熟度を図る と共にソフトテニスの楽しさを味わうことができるようにする。

A 学習活動を通じて,ボールの管理,周囲の状況にお互いに気を付け,安全に学習する ことのできる能力や態度を養う。

B 積極的に準備,片付け,ボール拾いなどに携わることにより,運営をスムーズに行う ことができるようにするなど,各学習活動の場面において,協力することのできる能 力や態度を養う。又,準備・整理運動を丁寧に行うことにより,主に使う筋・腱・関 節などの各部位の傷害を予防することができるようにする。

6.準 備

・ラケット (47)  ・ネット (8) ・ボール (47)  ・黒板 (1) ・ラインカー(4)

 

7.指導の順序

段階

学 習 活 動

指 導 上 の 注 意



10
◎集合(4列横隊・Gコート)挨拶,出欠の調査

◎本時の学習活動の説明

◎準備運動
跳躍→屈伸→伸脚→前後屈→→体側屈→体の回旋→アキレス腱伸ばし→肩のストレッチ→手首・足首の運動 (各8呼間×2)
・全員座らせて,見学者には理由の確認と処置を行う。(見学者用レポートを書かせる)

・簡潔に

・今どこをのばしているのかよく分からせながら,十分に体が動かせる状態になっているかを確認する。


 
32

◎集合・説明

○ボレーの技術ポイント

・ひじとひざのバネを使って,体全体で押し返すようにする。

・利き腕のわきをしめ,ひじを押し出しながら,グリップを握りしめ,打つ方向にラケット面をきちんと向けてインパクトする。

・インパクトの瞬間だけ力をいれ,手首を固定する。

・ラケット面の使い方は基本的には扇形である。

・フォアハンドボレーは,右→左→右,バックハンドボレーは,左→右→左の順で足を出す。

○ボレーの練習方法

・黒板の見える位置に集合。

◎練習1.「ボレー練習」

hotai01.gif (1879 バイト)

・×の人が投げて○の人がボレーする。

・△の人は目標物になると共にボール拾いをする。

・投げる人は最初のうちはなるべくおそい球を,打ちやすいところに向かって投げる。

・打つ人が相手コートにうまく落とせるようになってきたら,徐々に速い球を投げたり,左右に出してみたりする。

・打つ人は慣れてきたら,落とす距離やコースを変えてみる。

・10本打ったら交替する。

・回数を重ねるうちに,球出しをする人はラケットでボールを出すようにして徐々にサービスラインからベースラインに下がっていって球を打ち出すようにする。

◎ 集合(Fコート)・説明

○ラリーの練習方法・コート分け

◎練習2.「ラリー練習」

hotai02.gif (1895 バイト)

・前衛1人後衛2人の3対3でラリーをする。

・ラリーが途切れたら左回りにローテーションしていく。(A.Bが交互にサービスを打ち終わってから)

・サーバーは1本目はフラットサービスでねらってみて2本目はアンダーサービスで確実に入れていく。(ファーストサービスを打って、打ち返せなかった時のみセカンドサービスを打つ。)

・サーブやレシーブが多少サービスエリアやベースラインから外れていてもラリーを続行する。

・教師の示範

・ポイントを押さえて分かりやすく説明する。

・生徒全体に見えるように,隊形や示範の方向に注意する。

・黒板を使って練習形態を分かりやすく説明する。
・各コートを見回り,必要に応じて,全体・グループ・個人指導を行う。

・技術ポイントや練習方法,安全に協力しておこなっているかをよく観察し、指導する。

・要点を押さえ,簡潔に指示する。

・前時まで学習した各技術のポイントを、一人ひとりが意識するように指示する。
 

・各コートを見回り,必要に応じて,全体・グループ・個人指導を行う。

・技術ポイントや練習方法,安全に協力しておこなっているかをよく観察し,指導する。




◎集合(Gコート)

◎整理運動

跳躍→屈伸→伸脚→前後屈→体側屈
体の回旋→アキレス腱→肩のストレッ
チ→手首・足首の運動

◎集合(4列横隊)・まとめ・次時の予告

◎挨拶

◎コート整備・ボール拾い
 ・協力しておこなう。
◎解散

・笛を吹いた後,大きな声で指示。

・整理運動がしっかりできているか確認する。

・今日の良かった点,改善すべき点を簡潔にまとめる。

・最後まで確認する。

 

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