■ 広島大学附属福山中・高等学校の中高一貫教育 ■

3 特色のある学習

 社会科・地歴科・公民科  

 中高一貫教育は,(1)子どもの学習状況を6年間全体にわたって継続的に把握し計画的に指導できる,(2)「ゆとり」ある学校生活をおくることを可能にする,などの利点があるといわれている。

 当校社会科では,(1)については,各教官が中学と高校の両方の教科目を担当し,継続的・計画的な学習指導を行っている。また,(2)については,特に地域との連携や国際化への対応という観点から,「地域に関する学習」「国際化に対応する学習」を重視し,中高一貫による「ゆとり」を生かして,できるだけ多様な教育を子どもたちに提供できるように,以下のような教育活動を主として中学校で行っている。

(1) 2年「歴史教室」

2年「社会科歴史分野」の授業の一環として,地域の博物館(広島県立歴史博物館)と連携して,「歴史教室」を実施している。博物館の実物資料や学芸員の方の話などにより,地域の歴史や文化について学習し,博物館の仕事や役割についても理解を深める。

(2) 3年「租税教室」

3年「社会科公民分野」では,地域の税務署の協力で,授業の一環として「租税教室」を実施している。税務署の方の講演やビデオ視聴により,租税についての関心を高め,租税や財政のあり方についての考えを深めることをめざしている。

(3) 中学「選択社会科」

中学の「選択社会科」では,子どもの関心や意欲を高め,技能や表現力を育てるねらいで,通常の授業ではなかなかできない取り組みを,毎年担当教官が試みている。

95年度は,地理「地域調査」で,各自が選んだ当校周辺の地域(春日池,笠岡湾など)を調べた。
春日池は選択者全員で巡検も行い,現地で調査発表も行った。(写真1)

96年度は,歴史「歴史新聞づくり」で,高等学校『世界史A』の「諸文明の接触と交 流」の単元から設定した五つの時代から一つを選び,グループや個人でその時代を調べて「歴史新聞」を作成し,最後に全員で評価をし合った。(写真2)

(4) 3〜5年講演会

「国際化に対応する学習」の一環として,外務省の若手職員を招いて,主として高校生を対象に 「高校講座」を行っている。
95年度は「国際協力 と外務省の役割」,96年度は「国連と日本」の演題で講演会を実施した。外交の第一線で活躍する人から直接聞く話は,子どもたちの興味や関心を高め,講演後の質問も毎年活発である。

(写真1)巡検「春日池にて」 (写真2)生徒のつくった歴史新聞


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