ふくやま美術館/終了した展覧会


特別展

世界的建築家の大いなる遺産

フランク・ロイド・ライトと日本展

−アメリカで秘蔵された日本美術コレクションの傑作を日本初公開!−

期間:1997年3月8日(土)−−4月13日(日)


狩野派筆「松鶴図屏風」16世紀後半

狩野派筆「琴棋図屏風」16世紀半ば

魚屋北渓画「春磐戸・其二」1825摺物

狩野派(永徳筆か)「老松図屏風」16世紀後半

土佐派「貴人,女」17世紀・扇面

土佐派「雪柳,椿」17世紀・扇面
(C)The Frank Lioyd Wright Foundation

■フランク・ロイド・ライトと日本美術

アメリカの生んだ世界的建築家フランク・ロイド・ライト (1867-1959)が、はじめて日本 に来たのは1905年(明治38年)でした。1893年 のシカゴで開催された万国博覧会の日本館「鳳凰殿」 に触れて以来、ライトは日本に憧れてい ました。このとき、全国を精力的に視察し、浮 世絵の収集もはじめました。以後、日本に深く 関わるようになり、福山市出身で明治・大正期 を代表する建築家武田五一とも深く交流し、 1916年、武田の編集によりライトの作品集を日 本でも出版させました。1923年には旧帝国ホテ ルを竣工させることにより日本人にも身近な建 築家となりました。
ライトは建築家として成功していくにしたが い、日本美術の収集をますます進めていきまし た。その膨大なコレクションの一部がメトロポ リタン美術館やボストン美術館などに収蔵され たことは、よく知られてますが、現在、フラン ク・ロイド・ライト財団には、まだ数千点に及 ぶコレクションが残されております。その美術 品の調査が日本の専門家の手によりここ4年間 にわたって行われ、美術的価値の高い傑作が数 多く発見されました。とくに屏風に関しては詳 しい調査と並行して徹底した修復も行なわれて きました。それらのうち、桃山から江戸初期に かけての狩野派の屏風は特筆すべきもので、「元 信」印の≪琴棋図≫、狩野元秀の≪源氏物語図≫ や狩野山雪の≪雪松図≫などは、日本絵画研究 に新たな一石を投じるものです。さらに、桃山 美術の巨匠・狩野永徳との深い関係を示唆する ≪老松図≫の出現はまさに衝撃的といえるもの でしょう。
本展は、日本をこよなく愛した偉大な建築家 が生涯をかけて収集した”幻の日本美術コレク ション”を、一堂のもとに鑑賞することのでき るまたとない機会となることでしょう。

■出品内容 出品は、狩野派の屏風絵を 中心に、扇画、摺物さらに帝国ホテルの設計 図など約100展。

■観覧料:一般1000円(800円),中高生500円(400円),小学生400円(300円) ( )内は前売り及び20以上の団体料金


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